牧野富太郎のことをもっと知りたい、もっと知りたいと情報を集め、研究をはじめてから十五年が過ぎようとしている。しかしながら依然として飽くことを知らない。その道はこれからも永遠と続くであろう。
中学生の時に伝記・中村浩著『牧野富太郎』をはじめて読んで、牧野富太郎の偉大性を感じとった。人生半ば四十歳を過ぎてから再び同著と出会い、改めて読んでみて更に感動を得た。以来牧野富太郎という人物に強く興味を抱くようになったのである。
牧野富太郎の魅力は一言で語り得ず、彼が残した功績ははかり知れない。中でも日本全土に巡らした植物学大成への情報ネットワークシステムは抜群であった。彼を動かした原点は郷里である土佐の国佐川町にあった。
牧野富太郎が植物の精として生まれて来たのであれば、私は牧野富太郎のことを永遠に語り継ぐために生まれてきたような気がする。牧野富太郎研究所のスタッフは、このような気持ちに賛同を得た同志の集まりである。